
堅物だと思ってた祖父の神経分からん話
生前の祖父は絵に描いたような頑固軍人だった。
質実剛健で勉強第一。
色恋沙汰が嫌いで、
娘である母たちの自由恋愛は認めずお見合い結婚させたし、
孫の私に好きな人が~って話になると
「ばかもん!」と一喝するような人。
そんな祖父が数年前に亡くなり、
遺品整理の際に戦時中から付けていた日記が出てきた。
祖母や母がわくわくしながら読んでみると、
結構衝撃的なことが書いてあった。
祖父は兵学校の最後の卒業生だった。
入隊する予定の軍が無くなってしまったので
終戦と同時に無職になった彼は、
地元に戻り取り敢えず教師になった。
そこで出会った13歳の少女が祖父の初恋の相手。
彼女は祖父のことを先生としか思ってなかったのだが、
祖父は彼女の父に結婚の許しを請いに行った。
しかし彼女は地元の名士の娘で、
「たかだか教師に娘をやれるか!」と
追い返されてしまったらしい。
それが相当悔しかったらしく、
祖父は上京して大学に行き、
しばらくサラリーマンをした後に自衛隊に入る。
大卒の兵学校出身者ということで
祖父は幹部候補として迎えられた。
そして下宿先の娘である祖母を見初め結婚に至った。
ここまでは皆知っていた。
しかし祖父、心の底ではずっと
初恋を引き摺っていたらしい。
数年に一回は相手女性に「会いたい」と手紙を送り、
遠回りにお断りされてはその悲しみを日記に綴っていた。
かと言ってその女性にしか
気持ちがなかったかというとそうでもなく。
財布には祖母のブロマイドを忍ばせていたし、
出張先で美しい景色を目にした時には
「この光景を初恋相手と妻にも見せたい。
この場に二人がいればいいのに。」と書いている。
つまり両手に花状態が理想だったと。
日記を読んで祖母はショックで寝込んだし、
子や孫はもうドン引き。
祖母を愛していただけまだマシなのかも知れないけど、
そのどっち付かずな態度が神経分からんし幻滅してしまった。
その他にも兵学校の制服に惹かれて
寄ってきた女の子をナンパしてお茶していたり、
子供の恋愛を禁止していたのは何だったのかと言いたい。
近頃祖母は体調を崩していて、
きっと年内には亡くなると思う。
もしあの世があるのなら
祖父に会って思い切り問い詰めて欲しい。
故人だろうが他人の日記を読む神経が
引用元: その神経が分からん!part424

