修羅場家の日常

聞いてくれるか？

まあ続けなさい

緩く期待

産業で頼む

ありがとう

あれは俺が高2の頃の話だ

俺は超絶根暗でクラスでも
忌み嫌われる存在だった

通り名は単調直入に「ゴミ」だった

学校内での会話は殆ど無く
唯一人と交流する機会はDQNに弄られる時だけだった

いじりと言うよりいじめの方が正しいのかな、
屈辱な時間だったよ

弁当捨てられるなんて当たり前で
放棄ので頭を叩かれた事もあった、
勿論ゴミを履く方でな

酷い時なんかゴミ箱に
頭を突っ込まれたりなんかもしたよ

ここでやり返すとかしてれば
また違ったのかも知れんが
そんなん無理だよ、俺弱いし根暗だったし

変に暴れてもそれを
ネタにされるだけだって事はわきまえてた

それでも泣く事は絶対にしなかった、
泣いたら負けだろ、って自分に言い聞かせてたから
余りに悔しくて耐えて耐えて耐え抜いたよ

俺の日々の楽しみは家でゲームする事

それともう一つは寝る前にDQN共を
ボコボコにする妄想をする事だった、
妄想の中じゃ俺は無敵だ

でも朝起きると現実が待ち構えてるんだよな、
学校に行くと妄想通りには行かない、
俺がやられたい放題だ

親や先生に相談とかするべきだったんだよな、
でもしなかった、ってか出来なかった

DQN共は「チクると酷いぞ」と口酸っぱく俺に言っていたし、
告げ口をしたらどうなるかなんて明白だったからな

しかしそんな俺を見てDQN共はどんどんつけあがっていった

そこまでされて学校行けるなんて鋼のハートだな

ひどいな
続けろ

俺の筆箱を勝手にあさり鉛筆削りを取り出して
俺の弁当に削りかすをかけて来やがった

「鰹節ごばん作ってやったぞｗｗｗ食えよｗｗｗ」

勿論食ったさ、
食わないと何されるか分かんなかったからな

「おいお前女子トイレで小便してこいよｗｗｗｗ」

勿論したさ、しないとｒｙ

見つからないように
見つからないようにと
祈ったが駄目だった

その友達を作れないからいじめられてるんだろ。


とりあえず、こんな状況を抜け出したいなら以下から好きなの選べ。

・勉強、またはスポーツで上位に立って見下す側になる
・思い切って一人くらい殺してみる
・全てを教師、警察等強い立場にある人間に打ち明け助けを求める

オススメは3つめだがな。
なんで告げ口するなと執拗に釘を刺されるか今一度考えてみろ

女子は三秒程俺を生ごみでも見るかのような目で
凝視した後全速力でトイレから出てった

俺は小便出しながら思ったよ、
あーこれは終わったわ、ってな

勿論チクられた、俺は停学処分

停学処分だけなら別に良かった、
けど先生立ち会いのもと親と話すのがマジで苦痛だった

教師に相談して中途半端に対応された時はシを覚悟しろよ
何倍にもなって報復されるからな

ここでもちゃんと全て説明してれば
まだ良かったのかも知れない、でもそうは行かなかった

俺根暗の癖に変なプライドだけはあったから
親や先生にいじめられてるのを知られたくなかったんだわ

俺「いや、その、間違えて、うん、はい」

目の前の女便器で小便してた癖に
間違えたってのはねーだろと言われた、
まぁ妥当な突っ込みだ

俺「間違えて入ってしまって出ようと思ったが
女子が入ってくるのが怖くて出ることが出来なかった」

今度は落ち着いてそう説明したが
多分信じてもらえてないな、
仕方なくって感じでこの三者面談は終わった

幸いな事に親父は所謂元ヤンと言う物で
こういう学校で起こした事件に関しては寛容だった

何でこの親なのにこんな風に
育ってしまったんだろうと何度も考えた事があるわ

しかし問題は母親な、これもうキッツい

恥さらしだの出て行けだの言われた、
リアルに一ヶ月ぐらいは口を聞いてもらえなかったな

まぁ流石にこのレベルにまでなると
俺もどうにかしないとと思うようになった

原因はなんだろう

これはすぐに答えが出た、
舐められてるからだ

じゃあ勿論次はどうすれば
いじめはなくなるんだろう、そう考える

答えは自ずと出て来る、
舐められない様にすれば良い

しかし舐められないようにと言っても
具体的にどうすれば良いのか

やり返すのが一番なのは分かりきってたことなのに
怖くて出来なかった、今考えると本当情けない

じゃあ他の方法を探そうと考えたがすぐに答えは出なかった

でもアウトローな世界にはさっぱり疎い俺だ、
どうすれば不良なのかなんて分からない

俺は日々ＤＱＮを観察する事にした

喧嘩の話、行為の話、万引きの話、
色んな話を盗み聞きした

喧嘩は出来ない、怖いから
行為も出来ない、相手が居ないから
万引きも出来ない、母さんがキツいから

どうすれば良いのか迷ってたその時だよ、
タバコの話を聞いたのは

確かに思い返してみれば街中で
ガラの悪い連中が固まってタバコを吸ってる姿を
何度も見たことがあった

ＤＱＮ共が校舎裏で
タバコを吸ってるのも盗み見した事もある

そう考えれば考えるほど
俺の頭はタバコまみれになっていった、
ＤＱＮ＝タバコの構図が完全に出来上がっていたんだ

んで俺は決断した、タバコを吸おうって
善は急げだ、俺はさっさとタバコを買いに行った

近所のタバコ屋で初めてのタバコ購入

銘柄なんて知らない、
それまで全くタバコに興味なんて無かったからな

んで俺はとりあえず目に入った
白と黒のパッケージのタバコを指差した

余談だがこれが後に俺の嗜好品となるセブンスターである

ライターも一緒に買って準備万端だ

箱の空け方が分かんなくて
上の面が全部剥がれちゃった

タバコを一本取り出し咥える、
ドキドキしながらライターを構える

火を点けた、
そこまでは良い物の吸い方が分かんない

煙を吸い吐く、煙を吸い吐く、
全然美味しくない、煙まっじぃとか思ってた

それなりに好奇心もあったから
さぞかし美味しい物なんだろうと思ってが拍子抜けだ

とりあえず俺は自分の吸い方が正しいものだと思っていた、
それが吹かしタバコだとも知らずに

その日の夜、俺は頭の中で何度もイメージした

校舎裏でタバコを吸う俺、
ドヤ顔で「うめぇ・・・」とつぶやく

そこに現れるＤＱＮ
「○○じゃん、お前タバコ吸ってたのかよ、仲間だな、今までごめんな」

完璧だ、そう思った

そして次の朝、過去の自分と決別する思い出学校バッグにタバコを詰めた
今日から俺は不良だ、もう舐められることはない、目に物を見せてやるぞ
本気でそう思ってたんだよ、今思えば本当に馬鹿な事をしたと思ってる

学校に着くといつもの様にＤＱＮにいじめられる
筆箱の中身をぶちまけられた、唾をかけられた
だが俺は不思議な余裕を感じていた、
もうその時点で自分は不良だと思い込んでいたからな

俺は思ったよ、好きにしろ、
俺は不良なんだ、こんな日々とも今日でおさらばだ

今思えばなんて恥ずかしい奴なんだろうと思う

そして昼休み、勝負の時が来た

弁当を食い終わった、ＤＱＮ共はまだ悠長に弁当をつついている
俺はもうその時点で何か揺るぎ無い「勝利」を感じていた
バッグからタバコを取り出しポケットに突っ込む、無言で教室を出る
勝った、勝った、完璧だ、そう思ってた
そして例の校舎裏にたどり着く

高鳴る鼓動が抑えられない
昼休みに流れる音楽が俺の勝利を祝福してるような感覚だった
ポケットからタバコを取り出し咥える、火を点ける
終わった・・・全部終わったんだ・・・もういじめられる事はない・・・

だが全くそんな事は無かった

誰かが喋りながらこっちに歩いてくる足音が聞こえた
子供の声だ、先生じゃない
奴らに違いない、さぁ俺の姿をその目に焼き付けるが良い！

足音に気づいてない振りをしながらタバコを吹かす
横目で曲がり角をチラチラと見ながらＤＱＮ共の姿が見えるのを待ち構える
そして誰かが俺の視界に入った、今だ！

俺「うめぇ・・・・」ﾄﾞﾔｯ

人が来たのに気づいてない振りをしてわざとらしくそうつぶやく
そしてたった今気づきましたとも言わんばかりの顔で
やってきた連中の方を振り向く、さぁＤＱＮ共、ひれ伏せ！

やってきたのは見慣れない顔、先輩だった

m9(^Д^)ﾌﾟｷﾞｬｰ

先輩きたか

想定外過ぎた、
俺のドヤ顔は一瞬で困惑の顔に変わった

校舎裏でタバコを吸うには
余り似つかわしくない俺の顔を見て先輩達は笑う

先輩Ａ「君何してんのｗｗｗ
　　　　タバコ吸ってんの？ｗｗｗ」

俺「いや、その、いや」

先輩Ｂ「いや、じゃねーだろｗｗ
　　　　その手に持ってんのなんだよｗｗ
　　　　てか似合わねーｗｗｗ」

俺「はい、ん、はい、タバコです」

さっきまであんなに冷静だった、
勝利が確定する前から
勝利の余韻に浸ってたような奴がこの有様

もう何も考えられなかった、変な汗が噴出す

俺だったら泣く

oh...

一刻も早くこの場から抜け出したい

けどＤＱＮ共はまだやってこない、
どうしても俺がタバコを吸う姿だけは見せつけてやりたかったんだ

擦り切れそうな精神でその場に居座った、
さっさと立ち去れば良かったのに

先輩Ａ「まぁ良いやｗｗｗチクんねーから安心しろやｗｗ俺らも一服しに来たんだよｗｗｗ」
俺「あ、はい、そうでございましたか、はい、どうぞ」
先輩Ｂ「お前おもしれーなｗｗ一緒に吸おうやｗｗちょっと寄れｗｗ」
俺「あ、あ、はい、よろしくお願いします」
良く耐えきったよ俺と過去の自分を激励したい

先輩もやはりDQNか

ここで上手く振る舞えばあるいは…

取り入る事が出来なかったのか・・・

そのまま気に入られそうな雰囲気

タバコを片手に立ち尽くす俺、どうすれば良いか分からない
今にも爆発しそうな頭で必シに打開策を考える
先輩Ａ「おいどうしたよｗｗｗ吸えやｗｗ消えちまうぞｗｗｗｗ」
俺「あ、そう、ですね、はい、じゃあお願いします」
先輩Ｂ「何をお願いすんだよｗｗｗおもしれーｗｗｗ」
考える時間くらいくれと言いたかった
とりあえず俺は言われるがままにタバコを咥える
そして吸って、吐く

正直これで先輩達にも一目置かれれば占めた物だと
少しでも考えてた自分を全身全霊を込めて罵りたい

先輩Ａ・Ｂ「吹かしかよｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
俺「えっ、えっ、えっ、えっ」

だせぇｗｗｗ

まさかのwwwww

>>73-74
コミュ力が一ミリも無かったと言っても
過言じゃ無い俺にそいつは無理な相談だ

何を言ってるのか分からなかったが
先輩たちが俺を見て笑ってることだけは理解出来た

俺「えっ、ちょ、えっ、どう、なさいま、した？」
先輩Ａ「どうしたってお前吹かしかよｗｗｗだせぇなｗｗｗｗ」
先輩Ｂ「腹いてぇｗｗｗまぁこの顔だしふさわしいけどｗｗｗｗｗ」
俺「えっ、吹かしって、えっ」

俺の頭の中が「吹かし」という言葉で埋め尽くされた、
必シにボキャブラリの引き出しを開けまくり
「吹かし」と言う言葉を脳内で検索する

だが答えは出ない、泣きそうだった

先輩Ａ「え？ｗｗお前吹かしの意味も分かんねーの？ｗｗｗ」
先輩Ｂ「意味も分からず吸ってたのかよｗｗｗやべぇｗｗｗぱねぇｗｗぱねぇｗｗ」
俺「あの、あの、はい、うん」
先輩Ａ「お前面白すぎｗｗｗデビュー？ｗｗｗ」
先輩Ｂ「俺がお前にタバコの吸い方教えてやるよｗｗｗ煙を吸った後深呼吸してみろｗｗｗ」
言われるがままにタバコを咥え、吸い、深呼吸をする

むせた、超むせた、今までにないぐらいむせた

ださすぎだろｗｗｗ

俺「げほっ、おほっ、ごほっ」
先輩Ａ「ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
先輩Ｂ「ぱねぇｗｗｗｗｗぱｗｗｗねぇｗｗｗｗｗｗｗｗ」

先輩達は声にならない笑いを上げている

これが本当のタバコか・・・
俺はなんて事を・・・

後悔した、とても後悔した

これが1ミリ程度の軽いタバコなら
俺も耐えられたかも知れない

しかし俺が買ったセブンスターと言うタバコは14ミリ、
素人がいきなり吸うのにはあまりに強すぎたのだ

人並みにプライドだけはあると自負してた俺だが
もう駄目、この場には居られない

今すぐこの場を離れよう

俺「ごほっ、わた、ごほっ、し、そろそ、ごほっ、ろ、失礼します、ごほっ、ね」

もう遅かった

もうやめろ











やめてくれ……

俺はむせながら振り向いて校舎裏から離れようとした
だがおかしい、馬鹿笑いする先輩達以外に話し声が聞こえる
先生か、いや違う、子供の声だ、こっちに近づいてくる
混乱する頭で考えたがすぐに答えは出た

俺「！」

そう、本命のＤＱＮ共が今頃やってきたのだ

こんな情け無い姿を奴らに見せられない、かと言って逃げ場は無い
どうすれば、どうすれば、考えて考えて考えぬいた結果

俺は無言でその場に体操座りをした

体育座りふいた

ヤバいなこの話ｗｗｗ

凄まじすぎるｗｗｗｗｗ

地獄だなｗｗｗｗｗｗ

お前ゴミって呼ばれてたのかよwww

先輩Ｂうぜえｗｗｗｗぱｗｗｗぱｗｗｗｗぱｗｗｗ

笑いすぎだろｗｗｗｗ

ＤＱＮ共と先輩達がひとしきり笑い終えた後俺は更に悪夢を見た
ＤＱＮ共が俺の日頃の学校生活の事を話しだしんだよ

ＤＱＮＡ「こいつ鉛筆の削りかすぶっかけて弁当をっすねｗｗｗ」
先輩Ａ「マジかよｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

ＤＱＮＢ「こいつ女子便でっすねｗｗｗｗｗｗｗｗ」
先輩Ｂ「ぱｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

俺は体操座りのまま涙を流した、
声は出さなかったが、泣いた

今まで泣くことは絶対にしまいと思ってたのに泣いた

俺が泣きながらタバコを吹かす姿を
携帯でムービー撮られたりもした

ほんで思う存分玩具にされた後俺は開放された

これが俺のＤＱＮぶってこれ見よがしに
タバコ吸ってたらＤＱＮに泣かされた話です、
全部実話です

終わり？

おつ

でも今は非DTなんだろ？

よくがんばったな……

えっ






おわり？

今は上司にいびられてんの？

非DTってことはブサメンでもないの？

お前はよくがんばった

結果的には良かったのね
じゃああながち間違った行動でもなかったじゃん

今は普通に暮らせているのか？

ちょっと話し終えたら当時のこと思い出しちゃって
ブルーになって来たからもう寝ます

ここまで付き合ってくれた皆さんありがとうございました

頭悪そうな高校だがちゃんと就職できたのか…

ROMってたが良かったぞ
頑張ったな、乙