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352: 修羅場家の日常 2016/04/05(火)15:05:15 ID:wmo

中学時代、
親友が暴走車にはねられた時が修羅場だった。

もう20年以上前の話だが、
酔っ払い暴走車が次々人をはねていき、
重軽傷者が出た。

そのうちの一人が親友で、重傷だった。

当時の俺は馬鹿で、
重傷と重態の違いがわかっていなかった。




また、日頃から俺と親友は
「もしもの事があったら
お互いの黒歴史(という言葉は当時なかったが)を
隠滅し合おう」
という固い男の約束をしていた。

親友が重傷…シぬかもしれん!と思った俺は
親友の親が病院へ駆けつけている間に、
合鍵のある場所を知っていたのでそこから家へ侵入した。

そして親友の部屋に入り、
学習机の隠し引き出しから
自作の小説や作詞を書いたノートだの、
好きな女の子宛てに書いた妄想ラブレターだの
万が一デビューできた時のためのサインの練習だの
漫画のエ◯いシーンだけ切り取って集めた
スクラップブック等を全回収した。

侵入している最中は
ドキドキしすぎてシにそうだった。

すぐさま自宅へ帰り、
秋になってじいちゃんが焚き火するようになったら
一緒に燃やしてもらおうと思いながら、
自分の机の引き出しにしまった。



353: 修羅場家の日常 2016/04/05(火)15:05:25 ID:wmo

その後親友は回復した。

足と腰の骨を折る重傷だったが
命に別状はなかった。

あまりの安堵で、俺は親友に
「黒歴史を回収したぞ」と言うのを忘れた。

退院してきてからでいいやと思い、
普通に生活していた。

もう想像つくと思うが、
その親友の黒歴史を親父に発見された。

俺の机には隠し引き出しというものがなかったので
誰でも簡単に見れた。

しかもうちの親父はおしゃべりクソ野郎だった。

ノートの中身やエ◯いスクラップブック、
そしてラブレターの女の子の名前までバラされた。

その子はあくまで親友の好きな子であって、
俺は別に好きな子がいたのだが
親父のせいで俺はその子を
好きだということになってしまった。

しかも親友の書いた妄想ラブレターは
すでに二人が付き合っていることを前提とした
煩悩全開のかなり痛い内容だった。

ほとんど忘れたが
「きみと交わした明け方のフレンチキス」
ってフレーズだけ覚えている。

結局俺は中学を卒業するまでその子に避けられ続け、
本当に好きだった子にも距離を置かれ
クソ親父には「プワゾン」という渾名
(親友の小説の主人公のコードネーム)
で呼ばれ続けた。

親友に感謝され、
友情が壊れなかったのだけが
唯一の救いだった。

その後成人式の同窓会にて
親友が上記の話を発表してくれて
濡れ衣(?)は晴れたが。

代わりに親友が「プワゾン」と
呼ばれるようになって少しワロタ


引用元: 今までにあった修羅場を語れ【その17】