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269: 修羅場家の日常 2016/04/01(金) 20:10:18.01 ID:onxSLELD0

まだ高校生だった頃の話

同居の祖父が体を壊し、
家で寝込むようになった。

多少は動けるが寝たきりに近く、
母と叔母とヘルパーさんと交代で、
時間に融通の効く私も
夕方祖父の簡単な介護をすることになった

祖父は優しくて、おとなしい人で
私はものすごく可愛がられていたから
快く介護していた

バイはやめることになったが、
祖父や両親がその埋め合わせはしてくれたし、
祖父が大好きだったのでがんばってた





うちの家の隣は小さな公園で、
もちろんボール遊びなどは禁止なのだが、
ある日、近所の市営住宅に住む
放置子が仲間引き連れてやってきて、
サッカーと言う名の壁打ちをするようになった。

あれって住んでいる家にはものすごく響くんだよね

祖父は眠りが浅く、
ちょっとでも静かに過ごして欲しかったのに、
夕方になるたびにドーンドーンという
振動に怯えるようになった

なんどか注意したし、
自治体の区長さんにも注意してもらったんだけど
放置子たちはやめなかった

事情をわかりやすく優しく話したんだけど、
逆にむしろニヤニヤ笑いながら
激しく壁当てをするようになってしまった


270: 修羅場家の日常 2016/04/01(金) 20:10:45.87 ID:onxSLELD0

祖父は耳は悪いし体はあまり動かない。

けれどもちろん振動はわかるし、
ケタケタ笑う子供たちの悪意もわかる。

けれど私には
「もし××ちゃんが注意ばかりして逆恨みされたら」
と言って憤る私を抑えた。

その市営団地には、
がらのよくない家族もたくさん住んでいた。

地元の人間は皆知ってた

「大丈夫だよ。どうせ言っても聞かないから。
無駄だよ」って静かに耐えてた



けど若い頃にあったというチックみたいな症状が
おじいちゃんに出るようになってしまった。

それでもう私は仕返しすることに決めた。

警察に捕まってもいいと思ってた。
もうそれくらい追い詰められてた。

放置子たちは自転車を公園の入り口に雑に止めている。

その中で一番イキッてる自転車が
放置子ボスのものだということは知っていた。

私は家をそっと出て普通に歩いて
買い物でも行くみたいにその前を通り過ぎた。

その際、祖父のおまるの中身を、
奴らの自転車のサドルの上に
そっとかけた。

何気なく、ささっとしたのだが
サドルの上に灰ミドリっぽいそれは
こんもりとデコレートされた。

においはしたかも。
もう慣れてたけど。

黙ってそのまま足を進め、
少し離れた商店街へ行った。

一時間ほど時間潰して遠回りして
公園の逆方向から帰った。

私は沈黙を守ったし、
警察がうちに来ることもなかったし、
団地の人が
うちの家に怒鳴り込んでくることもなかった。

なんか不思議だったけど
ほんと私のしたことが
消えてしまったみたいに反応はなかった。

ただ次の日から一年半後死ぬまで
祖父が振動に悩まされることはなかったので
よかった。


引用元: 奥様が墓場まで持っていく黒い過去 43