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298: 修羅場家の日常 2017/08/14(月) 23:28:05.09 ID:TqkGDgpH0

会社の先輩に聞いた話 彼女との一夜

彼女と酒飲んで終電逃した夜だったよ。
時間つぶしに長々散歩して、通りすがりのバーによって
また散歩して、歩き疲れた頃にホテルに入った。
全然知らない街まで来てた。バーは感じ良かったし
ホテルもキレイだった。こんなの久しぶりだねって
彼女も本当に楽しそうだった。




 一緒に仲良くシャワー浴びて、ベッドに入ってから
名状しがたい違和感に気付いた。
彼女とは体の相性も良いし、とにかく好きなんだよ。
でもその時は、そういうのとは別に怖ろしいほど興奮した。
彼女も俺にしがみついて凄い声出してるし。
異様な違和感に追われて、追い詰められてるみたいだった。

目が覚めた時は、窓からしらしら明けの光が差してて
彼女はもう起きててぼんやりスマホいじってた。
抱き寄せても、キスしても何だかぼうっとしてるんだ。
寝起きで機嫌悪いのかな、こいつにしちゃ珍しいなと
思って放っといたら、そのうちこっちに乗り出して
夕べ変なことがあったって真剣な顔して話し出したんだ。

「夕べは途中から変なことに気が付いたの。
お願いだから頭おかしいって言わないで。
ちゃんと聞いて、すごく怖かったんだから。
でも言いたくても言えなかった。声も出ないし。
とにかく変なことばっかりだったよ。○○君だって
変だったよ。ホントはわかってたんでしょ」


299: 修羅場家の日常 2017/08/14(月) 23:29:43.25 ID:TqkGDgpH0

「一緒に寝てからさ、暗くたって少しは判るよね。
○○君の手は両方ともちゃんと目の前にあるのに
違う場所を他の手が触ってる。
でもその手が見えないの。
掴もうとするとその手が無いの。
それでまた違う場所を別の手に触られてる」

「何か言おうとすると、手が口を塞いでくる。
口の中まで入り込んでくる。
そうやって見えない手が増えていって
体中をたくさんの手が触ってる。
そのうち本当に身動きできなくなって、声も出なくて
大勢の人に体を好きなようにされてるみたいだった」



彼女の話で俺はかなり笑って
このスケベ女!とか、昨日酒飲み過ぎだよとか
変なクスリ飲んだんじゃねーのとか茶化してたんだけど
彼女はすごく真剣にその話を訴えるし
仕舞いには怒り出してしまったので
俺もとうとう夕べの違和感について話した。


300: 修羅場家の日常 2017/08/14(月) 23:31:26.16 ID:TqkGDgpH0

「俺も変なことがあった。
俺とお前の二人だけしかいないのに
途中から誰か別の奴がいるような感じがした。
俺が抱いてるのが誰なのかわからない。
間違いなくお前の顔で、お前の体なのに
別の女を抱いてるような感じなんだ」

「その女が次々、別の女になるんだ。
そのうち周りに何人も女がいるような気がしてくる。
俺の背中に抱きついてくる腕
俺の首にからみつく腕
でも俺とお前しかいないんだ。
それなのに俺は、大勢の別の女に押し込んでるんだ」

普段なら冗談でも喧嘩になるような話だろう。
でもその時はそれどころじゃなかった。
まだ部屋の中に誰かいるような気がして
俺たちは二人ともゾッとしたんだ。
もうじっとしていられなかった。すぐ支度して
部屋を出て、ばたばたチェックアウトした。

ホテルの外に出た時はちょっとだけホッとした。
とにかくまだ時間が早いし、ファミレスでも入って
落ち着こうって言って、ホテルの角を曲がってすぐ
二人ともあっと立ちすくんだ。
夕べどうして気付かなかったんだろう。
ホテルの周り一面に広がる、墓、墓、墓・・・


301: 修羅場家の日常 2017/08/14(月) 23:38:37.93 ID:QWz1xpnKO

最後が怖かった


302: 修羅場家の日常 2017/08/15(火) 00:00:57.45 ID:XfV5GUFL0

じゃあ、ババアがたくさんだったの?


308: 修羅場家の日常 2017/08/15(火) 07:19:31.82 ID:jBpiR6aT0

>>302 
お前のせいで目が覚めた
ありがとう


303: 修羅場家の日常 2017/08/15(火) 00:30:34.33 ID:Tm1hBWYXO

精気抜かれそうな話だな…ほんのりどころじゃねぇ…


305: 修羅場家の日常 2017/08/15(火) 04:22:40.66 ID:6xRBNVNx0

そんなとこがあったら普通に心霊プレイ目当てで繁盛しそうだな
確かイギリスにもそんなホテルがあったはず


310: 修羅場家の日常 2017/08/15(火) 11:49:35.24 ID:UAV7zHqZ0

>>300 
ゾッとしたし面白かった


引用元: ほんのりと怖い話スレ 125