4

76: 修羅場家の日常 2017/07/18(火)12:45:21 ID:McH

小学1年生の時の話
その頃国語でやっていた題材が「くじら雲」で、
担任の教師が青い工作用の紙?に
白い綿を貼ってくじら雲の再現のようなものを作った。

それが結構な大きさで、
生徒の机を教室後方に移動させて、
黒板と生徒の間に置かれた。
少なくともメートル単位の大きさだったと思う。

子供心にもかなりの力作で、
担任も自分の努力の結晶を
国語の1時間で仕舞うのはもったいなかったのか、
その日一日中教室の床に置かれていた。




算数か何かの時間、プリント課題のようなものが出された。
終わったら担任にチェックを受けに行く。
担任の机は黒板の前にあったので、くじら雲の横を通ることになる。
くじら雲が大きいので通るスペースは狭く、
2人ぎりぎりすれ違って通れるかというくらい。

自分がプリントを提出して戻る時、
クラスメイトが前からやってきた。
そこでどちらかが戻るなりすれば良かったのだろうが、
考えが足りず頑張ってすれ違おうとする小学生ふたり。

無理に通ろうとした自分は足を滑らせて
青い紙の端を踏んづけてしまった上、すっ転んだ。

起き上がってみれば、
転んだところは大したことはないが、
踏んだところに上履きの足跡と、
よれた跡が残ってしまっている。

うわぁと思いひとまずくじら雲の上から退こうとしたところ、
突然甲高い声がして足元が滑り、今度はシリ餅をついた。

混乱する自分に、ぐしゃぐしゃになりながら
くじら雲の綿と紙が押し付けられる。
「これで満足か!これで満足ですか!!」と叫びながら、
担任がくじら雲を自ら破壊しながら自分に押し付けているようだった。

その後はどうなったのかよく覚えていない。
気付けば自分は大泣きで廊下に立たされており、
何回も何回も担任に謝ってようやく教室に入れてもらえた。
見る影もないくじら雲は自分が片付けて捨てることになった。
クラスメイトたちのなんとも言えない視線が痛かった。

その日帰った自分が母親にこのことを話すと
(親にも報告して謝るよう担任に厳命された)、
母親は微妙な顔をした。

てっきりこっぴどく叱られるのかと思いきや、
「先生には謝った?」とだけ。
それに頷くと「そう」とだけ言われた。

担任に言われたように親にも
「先生が一生懸命作ったものを
壊すような子どもでごめんなさい」と謝ったが、
さらに微妙な顔をされた。

その後数日担任は不機嫌そうだったが、
その年の終りに転勤していった。

先日当時の同級生から聞いた話だと、
担任はあの後自分を紙の中から引きずり出し
肩を掴んでガクガクと揺さぶりながら、
最早何を言っているのかわからない高い声で
叫び続けていたらしい。

そして、自分はその後数日の不機嫌だと思っていたが、
その実転勤するまで自分に辛く当たっていたらしい。

誰が悪いかといえば、
担任が頑張って作ったくじら雲を踏んだ自分が当然悪い。
だが、そこでブチ切れて自らの手でくじら雲をぐしゃぐしゃに押し付け、
記憶が飛ぶレベルで怒鳴られるほどのことだったのだろうかと、
今思い返せば少し疑問に思う。
同級生たちも、「先生やり過ぎじゃね?」と引いていたらしい。

母親にも当時のことを確認してみたが、
ちょっとヒステリーじみていると思ったと言われた。
思い出すと神経がよくわからない話だった。

新任の教師だったらしいし、
特別学級など無い田舎で
クラスに障害者が2人いるしで
ストレスはあったのだと思う。

けれど自分は高校生の時、
なぜか突然その教師から届いた暑中見舞いを
そっとゴミ箱に放り込んだ。


78: 修羅場家の日常 2017/07/18(火)13:52:15 ID:o0g

>>76
物悲しい話だねえ…
大人になって、
担任の気苦労を思いやれる76の優しさが泣ける。
暑中見舞いの処理も完璧。


引用元: その神経がわからん!その34